ヨーロッパ的な自転車2008/07/02 09:33



 ドイツで10年ほど前に見かけた自転車を昨日、下北沢でも見た。といういいかたは正確ではないけれど、ドイツ北部の町、ミュンスターで何台も何台も見かけた、後ろの荷台にバッグなど荷物をはさめる自転車を見かけたのである。
 それは、後部の荷台の一部にスプリング(バネといってもいいのか)が付いていて、その一部分をくっと持ち上げてバッグなどをはさめるという、なかなかのすぐれもの。自分のバッグは高級品だから、そんなとこにはさむのはイヤ、なんていう人には向かないが(そんな人がいるかどうか知らないが)、ミュンスターでは何人ものビジネスマンを見かけた。
 ドイツは自動車大国でもあるけれど、自転車が乗りやすい自転車大国でもある。あるというのは、僕はいま勝手に言ったのだが、ミュンスターでは自動車が通る道と歩道のあいだに自転車道が整備されていて、レンタル自転車で町を散策したとき、ひじょうに快適だった。
 このところ、ガソリン代の高騰が話題になっている。代替燃料を気にするのもわるくないけれど、日本でも、ドイツのような自転車道が作られれば、通勤に自転車を使う人も増えるかもしれないし、環境にもやさしい、まさにエコ・ドライブなので、そういった意味で、少しでもドイツに近づいてほしいと思う。

 昨日見かけた、後部荷台に荷物をはさめる自転車は、ミニサイクルのようなタイプのプジョーのものだった。ドイツでこういう自転車をよく見かけましたよ、と僕がいうと、自転車の持ち主の女性(知り合い)は、そうそう、これもドイツなのよ、とおっしゃっるので、プジョーはフランスだと思いますよ、と僕が言うと、そうなの、あはははは、と笑っておられた。その明るい笑いっぷりを見て、フランスでもドイツでもどっちでもいいか、という気になった。


(文と絵:大倉恭弘)