オークラホマミキサー

　図書館で借りた『オペラ座の怪人』。弟に読み聞かせをしてくれた娘は、自分もこわかったみたいで夜中、なかなか眠れなかったみたい。「パパ、こっち向いて」「ママ、（背中）トントンして」とといったことを何度もせがむもんだから、親も睡眠不足気味。

　まあ、たしかにブライアン・デパルマ監督作の『オペラ座の怪人』もちょっとこわかったけどね（でも美しく悲しい映画だった）。

　ガストン・ルルー作の原作小説（原作というのは、映画版から見た表現だよなぁ）、僕も読んでなかったから今度挑戦してみようと思う。ちなみに娘が読んでいるのは、子ども用に短く、わかりやすく書き直されたものらしい。


『オペラ座の怪人』と聞くと、僕はビデオを見せてくれた、大学時代の同級生のＯを思い出す。Ｏは四畳半の部屋で、ＶＨＳでなくベータの『オペラ座の怪人』を鑑賞させてくれたのではなかったか。同じ下宿の斜め上の部屋に暮らしていたＯは、他に寺山修司監督作の『草迷宮』も見せてくれたっけ。

　1980年代末、冷たい比叡おろしが吹きつける、京都市左京区岩倉での思い出だ。



text and photo：yasuhiro ohkura