2-4からレフト前ヒット2005/09/04 07:57

 テレビで(でも、というよりテレビで)見たい、というプレーがあった。
 昨夜のこと。ベイスターズ対タイガースの試合で、カウント2-3から「ボール」を判定されて一塁に歩こうとした佐伯選手は、上本球審に呼び戻されて打ち直し、安藤投手が投じた「さらなる一球」を、佐伯選手が左前安打にしたという。横浜の田代打撃コーチはフォアボールと思ったが、そう思った自分がカウントを勘違いしているのだろう、と決めつけてしまったという。佐伯選手が、審判に呼ばれて戻ったため、田代コーチは自分が思い違いだと感じという。めったにない珍事だろうから、見たかった。球場内は、どよめいていたのではないだろうか。
 それとも、こういう場合、審判がまさかカウントを誤るはずがないという気持ちがみんなの中にあって、スコアボードのランプに表示されたカウントも、スタンドの観衆がいま目の前で見て、それまで2−3だと思っていたカウントも間違っていて、つまり、アンパイアが正しくて、それ以外の人はみんな自分が勘違いをしていたような錯覚に陥るのだろうか。集団心理のなせるわざか。もちろん、札幌ドームのお客さん全員がこの誤審に気づいていなかった、ということはないだろうが。
 あくまで想像だけど、こういうとき、スタジアム内にいる人間より、テレビの前で見ている人のほうが冷静なのではないか、という気がする。
 あ、でもあれか。テレビ中継のスタッフ(カメラマンやディレクターなど)が気づいていなかった、というは絶対にないだろう。野球中継の現場を取材したことがあるけど、試合がはじまったら(実際には試合前から)終了までトイレにも行かず、ものすごく集中している(はずの)カメラマンや中継スタッフ全員に指示を出すディレクターが、本当はすでにファボールであることに気づかないわけがない。僕にはそう思える。
 試合後、球審はミスジャッジを認め、公式記録は「2ー4から左前安打」とあいなったそうだ。

(参考記事)
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20050903&a=20050903-00000088-jij-spo